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カテゴリー別アーカイブ: 電気制御工事の施工事例

ブレーカートリップの原因調査と配線・電気機器交換

鋳造工場の注湯場トロリー線転轍機において、ブレーカーがトリップしてホイストが動かなくなったというご相談を受けました。

長年にわたって工場を稼働していると、どこかで不具合が起きて頻繁にブレーカーが落ちてしまうということが起こることがあります。

安定した工場運営の為には、早期の原因調査が不可欠です。


お客様の要望内容・依頼背景

ブレーカーがトリップし、ホイストが動かなくなってしまったため、原因を特定し直してほしいとのご要望でした。

ホイストを操作していた作業員によると、「一度ブレーカーがトリップしてから復帰させ、再度運転しようとしたところ、今度は別のブレーカーがトリップした」とのことでした。

当社の提案・施工内容

該当ブレーカーを分解してみると、トリップさせるためのコイルが焼けており、トリップできない状態となっておりました。

トロリー側では、電源供給ケーブル3相のうちT相のケーブルが断線しS相のトロリーと接触した跡が確認できました。

原因はおそらく経年劣化であり、焼けたブレーカーの交換と断線したケーブルを補修しました。

そしてケーブルと他ブレーカーに焼損等異常がないかの確認した後、ホイストを運転し、正常に運転している事を確認しました。

施工前

トロリー外観

9-1編

該当トロリーの施工前の様子です。

ブレーカー内部

9-2編

コイルが経年劣化により焼け焦げていました。

施工後

トロリー外観

9-1編

トロリー付近の配線をし直しました。

ブレーカー内部

9-2編

一部機器を交換しました。

当社スタッフより

設備が古いため、他のケーブルでも同じようなことが起きないよう、念のため他の各トロリー線電源供給ケーブルの点検を提案しました。

設備の不具合や突発的なトラブルは、ぜひ私たちにご相談ください。

電源盤据え付け工事

お客様の新しい作業用建屋で、電源盤の据え付け工事を行いました。

新しく建屋などを建てる際、必ず電源の引き込みや電源盤の据え付け工事が必要となります。

今回はお客様の予算のご要望を受け、他社よりも安い費用で工事を行いました。


お客様の要望内容・依頼背景

限られた予算内で、溶接をしないように構造物に固定して新しい電源盤を作成してほしいとご依頼をいただきました。

また、メイン電源のケーブルが短いので継ぎ足して届くようにしてほしいとのご要望もありました。


当社の提案・施工内容

溶接不可のため、固定用の金具を自社で作成し、それを固定して電源盤を設置しました。

また、メイン電源ケーブルは、電源盤の上部で継ぎ足すケーブルを最小限の長さにして接続しました。

これにより、最近ケーブル部材が高騰している中で、工事費をかなり抑えることができました。

施工中

金属枠設置

9-1編

固定用の金具を設置しています。

ブレーカー設置

9-2編

電源盤内のブレーカー設置や配線を行っています。

施工後

電源盤外観

9-1編

金具を使用して電源盤を固定しました。

電源盤内部

9-2編

電源盤内部の様子です。

当社スタッフより

他社との相見積もりの末に今回の工事を受注しましたが、他社との工事代金があまり安すぎたためどのような工事をするのかと担当者の方より不安になって連絡をされました。

ケーブルを最小限の長さにして部材費を抑えることで費用を安くできると説明すると、安心・納得され、当社に決めていただきました。

設備動作不良の原因調査・点検

お客様の工場にて、設備の操作時に不具合が生じるため、動作不具合の原因調査を行いました。

長期間使用している設備では、様々な動作不良を起こしてしまいます。

電気的な問題と機械的な問題を一つずつ確認し、原因を特定することが重要です。


お客様の要望内容・依頼背景

容器加工業のお客様より、設備起動ボタン操作時に、既に起動中の別モーターが停止することがあるため、原因を特定して不具合を直してほしいとご依頼いただきました。


当社の提案・施工内容

現場にて実際の症状の確認及び、電気図面、盤内制御機器の調査・点検を行いました。

症状発生時の規則性がないため原因特定に時間がかかりましたが、症状と電気図面から考え、まず可能性の高い制御系統のコモンから調べました。

すると、キースイッチの端子ネジが緩んでいるところを発見しました。

端子ネジの緩みにより接触不良が起き、ボタン操作時の振動により連動して予期せぬ動作が起きていることがわかりました。

念のため制御盤内の全端子ネジの増し締め、清掃を行ったところ、症状は出なくなりました。

施工後の様子

操作スイッチ

9-1編

施工後のセレクタスイッチです。

キースイッチ

9-2編

端子ネジの増し締めを行いました。

当社スタッフより

解決してみると大したことのない原因のように感じますが、端子ネジのゆるみが原因で設備が動作不良になった現場は思ったより多く、原因としても意外と見落としがちで、
特定に時間がかかるケースも多いです。

そのため、定期的な端子ネジの増し締めといった点検・清掃作業も単純ですが重要なものだと再認識しました。

電磁接触器のマグネット接点交換工事

ホイストクレーンの電磁接触器のマグネット接点交換工事を行いました。

動作回数が多い電磁接触器では、オン/オフの切り替え時に発生する火花(アーク)によって接点が損傷したり、摩耗によって接触が悪くなったりします。

クレーンなどの使用頻度が多い(頻繁にオン/オフの切り替えを行う)設備の電磁接触器では、他の設備よりも接点の摩耗などが早く進行するため、機械の動作不良などが増えてきたら、機器の交換が必要となります。

お客様の要望内容・依頼背景

工場内で使用しているホイストクレーンが、使用頻度が高いために故障も多いため、点検をしてほしいとのご依頼をいただきました。

当社の提案・施工内容

電磁接触器を点検したところ、マグネット接点が摩耗していることが原因と分かりました。

そのため、マグネット接点部分の交換を行いました。

また、既設のものには機械式インターロック機能が組み込まれていなかったため、より安全性を高めるために機械式インターロック機能の組み込まれたマグネットに交換しました。

施工前

電磁接触器の様子

9-1編

摩耗したマグネット接点のある電磁接触器の様子です。

マグネット接点

9-2編

マグネット接点を取り外した様子です。

施工中

背板裏側

9-1編

背板にビス用の穴をあけて設置されています。

基盤

9-2編

背板と基盤の空間の様子です。

施工後の様子

制御盤内の様子

9-3編

施工後の電磁接触器の様子です。

当社スタッフより

マグネット交換時に、背板加工(ビス用穴あけ)が必要になりましたが、背板裏に基盤があったため、慎重に作業を行いました。

機械の制御に関わる工事は、わたしたちの専門分野であり、数多くの実績があります。

機械の動作不良等が起きた際は、私たちにお気軽にお声がけください。

横行ホイストのガイドローラー交換工事

ホイストクレーンの部品交換工事を行いました。

注湯場に設置されているホイストクレーンから、横行時に異音がするから点検し、必要であれば修理してほしいとのご要望でした。

工場内には、クレーンなどの重機が多く稼働しています。これらはちょっとしたトラブルが大きな事故につながってしまう場合もあるため、日頃のメンテナンスや目視点検が大切です。

異音や異臭を見つけた際は、すぐに業者に頼んでチェック・修理してもらいましょう。

工事前の様子

ホイストのガイドローラー

9-1編

工事前のホイストが設置されている様子です。

ガイドローラー

9-2編

部品を解体して確認したところ、破損が確認されました。

当社の提案・施工内容

ホイストを点検した結果、横行用ガイドローラーに破損を発見しました。

ガイドローラーのベアリング部分が上下ともに破損し、原形をとどめておらずに回転不良を起こしていたのが異音として発生していました。

そのため、破損していた部品の交換を行いました。

施工の様子

施工後 ガイドローラー

9-3編

交換したローラーを設置しました。

当社スタッフより

ローラーやベアリングなどの部分は、摩擦により劣化が早く進み、今回のように異音が発生していました。

そのまま気づかずに運転していると、運転停止や大きな事故を引き起こすこともあります。

日頃から機械をよく見て、機械の故障の予兆を察知することが大切です。

エア消費削減のためのインパクトブローバルブ取付工事

常時エアブローしている場所にインパクトブローバルブを取り付ける工事を行いました。

エアブローは、加工工場での洗浄後の水切りや切粉、ほこりの除去、乾燥や冷却など、あらゆる工場で使用されています。

工場全体の約70%のエアを使用しているとも言われているため、エアブローのエア消費量を削減することは工場全体の省エネに直結します。

今回は、特にエアブローを多く使用する鋳造業のお客様より、エア消費量を削減しながら砂の回収量を上げたいというご要望をいただきました。

施工前の様子

制御盤 外観

9-3編

ショットブラストを制御する制御盤と配線の工事前の様子です。
制御盤 内部

9-4編

施工前の制御盤内部の様子です。
連続ショットブラスト

9-5編

これまでは常時エアブローしていました。

当社の提案・施工内容

インパクトブローバルブの取付とともに制御盤内にフリッカータイマーを追加しました。

エアーブローの吹き付け時間は、これまで常時吹き付けていたものから、0.5秒間吹き付け、2.0秒間停止させるようフリッカータイマーにて制御しました。

さらに、効率的に砂を回収できるようにエアーブロー場所を変更しやすいよう架台を作成しました。

施工中の様子

施工中の様子

9-3編

制御盤内部を作業している様子です。

施工後の様子

制御盤 外観

9-3編

制御盤から上にのびる赤い配線が、今回あらたに設置した配線です。
制御盤 内部

9-4編

フリッカータイマーを新たに取り付けました。(写真の赤枠部分)
インパクトブローバルブ

9-5編

エアブロー場所を自由に変更できるよう架台を設置しました。

当社スタッフより

社員7
インパクトブローバルブの取付により、エアーの消費量を20%ほど削減することができました。

砂の回収量の効果については、正確な数値がわかるには時間がかかりますが、現場スタッフの体感としては以前と同等かそれ以上であるとのことです。

実際のオペをお客様と確認して、エアブローの角度や位置を調整しました。

バケットエレベーターの現地操作ボックス新設工事

鋳造工場にて、バケットエレベータの操作ボックス設置工事を行いました。

工場内に設置された2機のバケットエレベーターについて、現場にて寸動運転(インチング運転)ができるようにしてほしいとのご要望をいただきました。

既設の操作盤とは別で現場でも操作できるようにするとのことで、同時操作による事故が起きないよう設計しました。

工事前の様子

既設の制御盤

9-3編

既設の制御盤の様子です。
施工前 対象設備周辺

9-4編

新しく操作ボックスを設置する箇所です。
施工前 対象設備周辺

9-5編

配電盤と配管を敷設する箇所です。
施工前 シーケンス図

9-3編

改造前のシーケンス図です。

当社の提案・施工内容

対象設備である連続ショットブラストの近くに操作ボックスを追加設置しました。

今回ご要望を受けた寸動運転(インチング運転)は、創業時の自動運転中ではなく、ベルトの交換時などの保全作業で使用することを目的としていました。

そのため、自動運転中の誤作動防止及び保全作業中の安全性を重視し、制御盤での操作と現場での操作を同時に行えないよう設計しました。

施工後の様子

施工後 制御盤

9-3編

制御盤の操作部分にあらたにキースイッチを設置しました。
施工後 対象設備周辺

9-4編

現場付近に操作ボックスを設置しました。
施工後 対象設備周辺

9-5編

2機のバケットエレベーター操作スイッチの配電盤・配管の様子です。
施工後 シーケンス図

9-3編

制御盤と現場操作ボックス両方のキースイッチが「制御盤」となっていることを運転条件に追加しました。

当社スタッフより

社員7
「制御盤だけでなく現場でも○○を操作できるようにしたい」というのは、工場で作業している人にとって良くいだく願望だと思います。

複数の場所で操作できるようにする際問題となるのが、安全性です。

一方で操作している時にそれを知らずに別の場所で操作して事故が起きてしまう、ということは避けなければいけません。

私たちは、安全性を確保したうえで設備稼働の効率性を上げる工事も得意としています。

注湯時間監視装置の自動化工事(2)

鋳造工場にて、電気炉の注湯時間監視装置の自動化工事を行いました。

電気炉の注湯時間監視装置において、これまでは監視開始を手動で行っていたものを自動化したいとのご要望でした。

以前同じ工場で同様の工事を行い、その追加工事となります。

前回改造した電気炉は高周波炉だったのに対し、今回は低周波炉のため、カウントする信号も別のものを採用しています。

工事前の様子

傾動操作レバー

9-3編

既設の傾動操作レバーの様子です。
操作盤 外側

9-4編

既設の操作ボックスの工事前の様子です。
操作盤 内部

9-5編

既設の操作ボックスの内部の様子です。

当社の提案・施工内容

電気炉の炉体を一度傾動させた後の着座を監視開始とし、注湯時間のカウントを開始させる改造をしました。

監視開始のタイミングの誤差などはあまり気にしないとのことで、近似値となる信号で監視を開始する設定にしました。

具体的には、炉体を上昇・傾動させるレバーにリミットスイッチを敷設し、動作の検知を行います。

動作検知から監視開始までの具体的な秒数は、現場の作業を実測で測り設定しています。


施工後の様子

傾動操作レバー

9-3編

レバー付近にリミットスイッチを設置し、部材費を抑えました。
操作ボックス 外側

9-4編

操作ボックスにカムスイッチを追加しました(真ん中上から2行目)。
操作ボックス 内部

9-5編

切替スイッチを増設し、既設の操作ボックスへの繋ぎ込みを行いました。
施工後 シーケンス図

9-3編

レバーを1秒以上傾動後、炉体操作なし及び下降・傾動操作を8秒以上行うことでカウント開始するよう設計しました。

当社スタッフより

社員7
工場で自動化をしたい作業について、私たちは設備の稼働状況等を詳細に聞いて実現します。

自動化を進める上で、様々な要望や課題があると思います。

例えば今回の場合では、部材費をなるべく抑えたいとのことで、現場オペレーションの了承のもと、リミットスイッチを傾動レバーの付近に設置しています。

また、誤作動をなくすよう注湯以外ではなるべく反応しないようなラダーを設計しました。

ソフトなどを導入せずに工場の自動化を実現したい方は、私たちにお任せください。

電気炉油圧ユニットのカムスイッチ交換工事

電気炉の油圧ニットを制御するカムスイッチ交換工事を行いました。

カムスイッチの内部が破損し、またレバーがもとに戻らなくなったため交換してほしいとのご要望でした。

カムスイッチの接点構造は特殊なものが多いため、既設部品と交換部品の接点構造を確認し、対応したものを選ぶ必要があります。

工事前の様子

カムスイッチの操作レバー

9-1編

内部破損の影響で右のカムスイッチレバーが戻らなくなっていました。
また、左のレバーにも破損が見つかりました。

カムスイッチ内部

9-2編

カムスイッチ内部が破損していました。

当社の提案・施工内容

一度依頼されカムスイッチの交換をするためお客様のもとに向かいましたが、お客様手配のカムスイッチの接点構成が既設と異なり交換できませんでした。

そのため、こちらから接点構成を指定させていただき再度購入され交換となりました。

また、隣のカムスイッチのレバーに破損が見られましたので報告したところ、今回交換して不要となった破損のないレバーを流用して欲しいとのことで交換しています。

施工の様子

施工後 レバー外観

9-3編

右に新しいカムスイッチを設置し、問題のなかった右のレバーのみを左に使用しました。

当社スタッフより

制御機器の部品交換を行うとき、今回のように既設機器の接点構造と合致させなければ部品交換ができないケースがあります。

専門的な知識を要するため、当社のように制御工事を専門に行っている業者に依頼しましょう。

既設機器を活用して工事費用を抑えるなど、柔軟に対応いたします。

集塵機用送風機のサーマルリレー交換工事

製造業のお客様より、サーマルリレーの交換工事のご依頼をいただきました。

電流値がサーマルリレーの設定以下にもかかわらずトリップしてしまう不具合が発生しているため、機器の交換を行ってほしいとのご要望でした。

サーマルリレーは、一定以上の電流が流れてモーターが焼損するのを防ぐ役割を持っていますが、今回のように不具合により正常な電流でも作動してしまう場合は、機器がすぐにストップしてしまいます。

このような不具合はすぐに対応しなければなりません。

施工前の様子

古い電磁開閉器

9-3編

サーマルリレーだけでなく、電磁接触器も古い型でした。

当社の提案・施工内容

サーマルリレーだけでなく、電磁接触器も非常に古い型のものを使っていたため、同時に新しいものへと交換しました。

また、部材はお客様手配でしたが飽和リアクトル付きサーマルリレーをご存じなかったようで、一度交換しに参りましたが直入れ起動であったため交換はせず、飽和リアクトル付きサーマルリレーを購入されてから交換いたしました。

その間はお客様判断でサーマルリレーの設定値を上げ対処されておりましたので、交換後は規定数値に戻しました。

施工後の様子

交換後の電磁開閉器

9-3編

サーマルリレーと一緒に新しいものへと電磁接触器も交換しました。

当社スタッフより

電磁開閉器(サーマルリレーと電磁接触器)の更新推奨期間は、約10年と言われています。

これらの機器が故障してしまった場合、機械の損傷や感電、生産ラインストップなどの大きな損害をもたらしてしまいます。

今お使いの機器がいつから使用されているものか、今一度確認することをおすすめします。