生産ラインの“脳”ともいえるPLC。点検の怠りが大きなトラブルに
工場にとって生産ラインが問題なく稼働できているというのは当たり前です。そのラインが難なく稼働している背景には、稼働制御を司るPLCが貢献しています。
小規模のものから大規模なものまで今どきの生産設備にはたいていPLCが導入され制御を行っています。プログラムの変更だけで設備の動作を変更でき、便利ですが、他の設備と同じく劣化はするものです。故障時には修理が必要ですし、あらかじめ、トラブルにならないようにメンテナンスしておくことが求められます。
PLCの保全という観点で言うと以下の3つが重要となります。
・劣化しているものを早期発見する
・異常が出たら早急に知らせる(気付かずに大損害へというケースも)
・トラブルが起きた時に早急に復旧する為の準備をしておく
これらの対策を取れているか否かで、生産への損害を最小限に届けることができます。
「PLCトラブルリスク診断」を提案中!リスク最小化をサポート!
サイテックでは、上記の「劣化把握」「異常察知」「復旧施策」という3つの観点でPLCの設置状況の診断、改善策のご提案をするというパッケージを行っています。
該当設備の制御盤を拝見させていただき、各項目を調査。不備事項やリスク要因があればレポートとして提出します。本レポートを参考に、制御関連の補修を行われる事業所様もいらっしゃいます。
お電話、FAXなどでお気軽にご連絡いただけますと幸いです。
PLCのトラブルは生産ラインのトラブルに
現状の運用・設置状況で、故障の
発生リスクが変わってきます
トラブルなく運用する、トラブル時に早期復旧できる準備をする、双方が重要。
PLCトラブルの2事例と対応策をご紹介します。
PLCは製造ラインの中枢を担うものです。このPLCで故障や不具合が発生すると、そこから生産ラインへ直結し大きな損害につながりかねません。トラブルは起きてしまうものですが、事前に予防をすることであったり、リカバリーの準備をして置くことで被害は最小限にできます。
I/Oユニットの動作不良
【概要】
PLCの故障で最も多いものがI/Oユニットの接点動作不良です。
プログラムをモニターしても演算はしっかり行われていて、本来出力がでるべきタイミングでI/O出力ユニットから実際に出力がされていない、または出力されっぱなしになったりします。
I/O出力ユニットもリレー出力やトランジスタ出力など種類によって異なりますが、リレー出力タイプは接点摩耗による寿命、トランジスタ出力は周囲温度の影響やサージ電圧などによる故障が発生します。
【対応策】
接点摩耗などは必ず寿命があり、故障は避けられません。
予備のユニットがあれば交換することでスムーズに復旧が可能ですが、もし予備がない場合、I/Oユニットの入出力端子に空きがあれば接点動作不良となった端子の配線を空き端子に接続しかえて、プログラムの接点動作不良のデバイスを接続しかえたデバイスに置換すれば応急で復旧できます。
空きのないI/Oユニット
空きのあるI/Oユニット
バッテリーの寿命
【概要】
PLCには電源が入ってない状態では内蔵のバッテリーを使って一部のデータを保持しています。バッテリーが寿命になるとPLCの電源を切ったときに保持されていた一部のデータが削除されてしまいます。
本来はBATランプという部分が点灯し、バッテリー劣化を明らかにするのですが、このBATランプに気づかないというケースがあります。それが起因してデータが消えてしまったというケースも見られます。
【対応策】
設備にバッテリー異常警報を追加する、または日常的な制御盤内の点検、プログラムのバックアップ、予備バッテリーの確保などの対策が可能です。また、プログラムなどをROMに書き込みバッテリーが寿命となってもデータが消えない機種もある為、そういった機種への置換えも有効な対策となります。