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月別アーカイブ: 2022年1月

注湯時間監視装置の自動化工事(2)

鋳造工場にて、電気炉の注湯時間監視装置の自動化工事を行いました。

電気炉の注湯時間監視装置において、これまでは監視開始を手動で行っていたものを自動化したいとのご要望でした。

以前同じ工場で同様の工事を行い、その追加工事となります。

前回改造した電気炉は高周波炉だったのに対し、今回は低周波炉のため、カウントする信号も別のものを採用しています。

工事前の様子

傾動操作レバー

9-3編

既設の傾動操作レバーの様子です。
操作盤 外側

9-4編

既設の操作ボックスの工事前の様子です。
操作盤 内部

9-5編

既設の操作ボックスの内部の様子です。

当社の提案・施工内容

電気炉の炉体を一度傾動させた後の着座を監視開始とし、注湯時間のカウントを開始させる改造をしました。

監視開始のタイミングの誤差などはあまり気にしないとのことで、近似値となる信号で監視を開始する設定にしました。

具体的には、炉体を上昇・傾動させるレバーにリミットスイッチを敷設し、動作の検知を行います。

動作検知から監視開始までの具体的な秒数は、現場の作業を実測で測り設定しています。


施工後の様子

傾動操作レバー

9-3編

レバー付近にリミットスイッチを設置し、部材費を抑えました。
操作ボックス 外側

9-4編

操作ボックスにカムスイッチを追加しました(真ん中上から2行目)。
操作ボックス 内部

9-5編

切替スイッチを増設し、既設の操作ボックスへの繋ぎ込みを行いました。
施工後 シーケンス図

9-3編

レバーを1秒以上傾動後、炉体操作なし及び下降・傾動操作を8秒以上行うことでカウント開始するよう設計しました。

当社スタッフより

社員7
工場で自動化をしたい作業について、私たちは設備の稼働状況等を詳細に聞いて実現します。

自動化を進める上で、様々な要望や課題があると思います。

例えば今回の場合では、部材費をなるべく抑えたいとのことで、現場オペレーションの了承のもと、リミットスイッチを傾動レバーの付近に設置しています。

また、誤作動をなくすよう注湯以外ではなるべく反応しないようなラダーを設計しました。

ソフトなどを導入せずに工場の自動化を実現したい方は、私たちにお任せください。

電気炉油圧ユニットのカムスイッチ交換工事

電気炉の油圧ニットを制御するカムスイッチ交換工事を行いました。

カムスイッチの内部が破損し、またレバーがもとに戻らなくなったため交換してほしいとのご要望でした。

カムスイッチの接点構造は特殊なものが多いため、既設部品と交換部品の接点構造を確認し、対応したものを選ぶ必要があります。

工事前の様子

カムスイッチの操作レバー

9-1編

内部破損の影響で右のカムスイッチレバーが戻らなくなっていました。
また、左のレバーにも破損が見つかりました。

カムスイッチ内部

9-2編

カムスイッチ内部が破損していました。

当社の提案・施工内容

一度依頼されカムスイッチの交換をするためお客様のもとに向かいましたが、お客様手配のカムスイッチの接点構成が既設と異なり交換できませんでした。

そのため、こちらから接点構成を指定させていただき再度購入され交換となりました。

また、隣のカムスイッチのレバーに破損が見られましたので報告したところ、今回交換して不要となった破損のないレバーを流用して欲しいとのことで交換しています。

施工の様子

施工後 レバー外観

9-3編

右に新しいカムスイッチを設置し、問題のなかった右のレバーのみを左に使用しました。

当社スタッフより

制御機器の部品交換を行うとき、今回のように既設機器の接点構造と合致させなければ部品交換ができないケースがあります。

専門的な知識を要するため、当社のように制御工事を専門に行っている業者に依頼しましょう。

既設機器を活用して工事費用を抑えるなど、柔軟に対応いたします。

てご通信 vol.13

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新年あけましておめでとうございます。本年も「てご通信」をよろしくお願いします!

皆さま、新年あけましておめでとうございます。サイテック代表の斎藤です。

2021年よりてご通信の発行をスタートし、お陰様で多くのお客様からお声がけを頂くことができました。

当社の事業(工事)が皆さまのお役に立てますこと、非常に嬉しく思っております。

本年も継続して、手ご通信を発行してまいります。

皆様のお困りごとがありましたら、お気軽にお声がけいただけますと幸いです。


今年の注力領域のひとつがIoT。最適な制御は現場の適切な情報収集からスタートします。

現場の経験も制御回路設計の重要な要素

本年、当社の提案注力領域として考えているものが、IoT提案です。

今まで、制御回路の設計は手元にある情報と作業のしやすさという限られた情報のみで行われていました。

その為、改造・改良をする際は、現状に対する不満点・課題事項の整理からスタートすることが大半です。

IoTを活用して、より効率的な工場運営を

その中で、現場の情報を適切に集計する為のツールというのが、今年当社が注力をしていくIoT領域と言えます。

情報が見える、その情報を処理し、最適な制御を作動させる。

その一連の流れを構築するような制御提案パッケージを本年は作っていきたいと思っています。

提案力のサイテックへ成長していきます

私達制御工事会社の存在意義は、皆様ではできない工事(工数不足・技術力不足)を対応するだけではなく、様々な現場の工事を行っているという事だと思います。

色々な状況で得たノウハウを、貴社の作業効率向上につなげることができれば幸いと考えています。

てご通信 フッター


今年の注力領域のひとつがIoT。最適な制御は現場の適切な情報収集からスタートします。

IoTの力を活用することにより、作業性向上の可能性が広がります。

とはいえ、いったいどこから取り組めばよいのか、しっかりと進める為には推進体制作りから必要か。

そのような懸念が有るかと思います。IoTツールの導入のポイントはスモールスタートです。

当社では、以下のようなIoTデバイスをご紹介しています。

モータ・回転機の予知保全デバイス

モータ・回転機についてはインターバル点検をしている事業所が大半です。

しかし、予期せぬ事故が発生し、工場生産ラインを止めてしったために大損害が発生したというケースもあります。

モータ・回転機はそこで発生する振動情報を解析することで、故障を起こす前から異常が明確になります。

注目を集める予知保全を支援するデバイスです。

アナログメーターの見える化デバイス

アナログメーターの数字を記録する為に工場内を巡回しなければならない。

異常値が出ていても見つけることができない。

そのような状況を支解決するのが本デバイスです。

メーターに設置するだけで読込み開始し、データがクラウド上にアップされ見えるようになります。

閾値を超えた場合は自動メール発送でお知らせが来ます。

PLCの運転状況のクラウド共有・見える化デバイス

電源を入れてスグに立ち上がり、PLCの制御情報をクラウド上にアップ、見えるようになるというデバイスです。

制御の様子をずっと見続けて改善策を判断するというのは現実味がありません。

このデバイスを用いて、情報を集積をしていくことで、不具合や改善の方向性を見出すことができます。

集計数値などは後から選択することが可能。設置後すぐに使えるようになるという点も非常に使いやすいツールです。

てご通信 フッター

回転機器の予知保全

モーターなどの回転機器について、以下のようなお困りごとはないでしょうか?

 □モーターの急な停止によって工場全体の生産ラインがストップしてしまった…

 □いつも事後保全になってしまい、対応が大変…

 □年中稼働していて回転機器の点検・メンテナンスがしづらい…

 □人が入りづらい場所に設置してあり、近づけない…

 □多数の機器が設置してあり、ひとつひとつ点検するのは時間がかかる…

モーターなどの回転機器は、工場で稼働する様々な機械の動力源となっている非常に重要な機器です。

そのため、回転機器がトラブルや故障を起こしてしまうと、生産が止まってしまいます。

復旧に時間がかかると、修理代だけでなく生産ロスもその分だけ大きくなり、大きな損失となってしまいます。

工場の要となる機器だからこそ、トラブルを早期に発見して故障する前に対処することが非常に重要です。



「3つの保全」

工場の保全活動には大きく3つのアプローチがあります。

対象設備の優先順位や社内の人員体制などからどの手法を用いるかが決まってきます。

事後保全~BDM(Break Down Maintenance)~

読んで字のごとく、故障や不具合が生じてから対応する保全活動です。

突発的な対応となりスケジュールを立てることができないため、事後保全だけに頼っていると生産設備の稼働率を高い状態で維持することは難しいです。

そのため、故障しても生産ラインの停止などにはつながらず、メンテナンスよりも買い替えの方が安く済む設備に適しています。

予防保全~TBM(Time Based Maintenance)~

半年や1年などの期間や、部品の劣化具合に応じてメンテナンスをする保全活動です。

定期的なメンテナンスや部品交換によって未然に故障を防ぐことができますが、最適な点検期間を見定めるのが難しい場合もあります。

故障が即生産ラインの停止にはつながらないものの、事後保全の対象となる機械よりは重要度の高い設備に適しています。

予知保全~CBM(Condition Based Maintenance)~

近年IT技術の進化により可能となってきたのが予知保全です。

IoTデバイスなどにより設備の稼働状況を常時監視し、故障やトラブルの予兆を検知します。

その予兆をメンテナンスや修理のトリガーとして行います。

最適なタイミングでのメンテナンスや部品交換を可能にします。

回転機器などの工場全体の稼働に大きく影響する重要度の高い設備に対して適しています。

図1

回転機器の予知保全IoTデバイス

私たちが提案する「回転機器の予知保全を実現するIoTデバイス」は、10円玉ほどの小ささのデバイスを回転機に取り付けるだけで、回転機の振動周波数・温度データを自動で取得します。

収集したデータはクラウド上で一元管理され、PCなどでいつでも見ることができます。

また、異常データが検出された際にはメールで通知する機能も備わっています。

目視などの人の五感による点検では検知できない異常も早期に発見できるため、適切なタイミングでメンテナンスや部品交換を行うことができます。

小さな機器を取り付けるだけなため工事が不要であり、少額投資で始められるということがこのデバイスの特徴のひとつです。



実際の導入事例を紹介

社長だけに聞こえていた異音をデータとして検知し、故障の予兆を発見

社長はモーターの異音を感じていたものの、他の従業員に聞くと全くそのような異音は聞こえない、というお客様がいました。

試しに予知保全デバイスを取り付けてみると、社長だけに聞こえていた異音が異常な周波数として顕在化しました。

結果として故障による生産ロスや修理のコストを抑えることができました。

グリスの適切な充填タイミングを明確化させ、メンテナンス頻度の定量化に成功

回転機器への潤滑グリスは多すぎても少なすぎても劣化や摩耗を引き起こすため、一定の量を維持する必要があります。

しかし、そのグリスの充填の最適なタイミングを計るのは困難でした。

この予知保全IoTデバイスを導入して振動数と温度を計測することにより、グリス充填の最適なタイミングを可視化することができました。

結果として、機器の延命化につながりました。

無料でデモ機の貸し出し・結果報告書の提出サービスを行っています

当社では、IoTデバイスの購入の前に、デモ機の無料貸し出しサービスを行っています。

一定期間デモ機を貸し出して回転機器のデータを収集します。

使い方などを体感していただき、デモンストレーション終了時には、収集したデータを解析し、結果報告書を提出いたします。

実際にお試しで使用していただき、購入するかどうかの判断材料として本サービスをご利用できます。

ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
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