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月別アーカイブ: 2021年10月

てご通信 vol.10

タイトル

センサで物を検知し、制御で動かす。生産性向上のヒント

今注目を集めるAI・IoT技術の普及。インターネット技術の発展がその原動力と言われていますが、その実態はIoTデバイスの価格の低下による普及促進であると言われています。

現状を正しく察知し、それを元に判断し、制御へとつなげていく。今までは手の届かない領域でしたが、今では取り組む現実味も出つつあります。

新設立上げの工場の場合、その考え方の下設計されていることもある為に全体最適が図られたものとなりますが、
一方、今から何かを取り組まなければと考える工場では、第一歩目をどこからにするかという点から考える必要があります。

当社では、その生産性向上の第一歩をセンサの活用によるデータ収集と簡易的な制御を用いた人作業の置き換えからであると考えています。

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先ずは何を「検知」して「どう動かすか」の組み合わせから

物を検知する為のデバイスは多く存在するようになりました。裏面でご紹介するようなセンサを用いて「物の挙動」や、状況を検知することは容易にできます。

センサでは、「1/0」の情報だけではなく距離情報の検知も可能です。その情報を、機械稼働やアラートを発報のキッカケにすることが可能です。

このような提案はセンサメーカーだけではできなく、現場を知っているご担当者様、制御工事会社が一緒に状況を把握していきながら最適解を模索していくという取り組みで実現します。

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状況や目的に合わせたセンサ選定が大切。目的別センサ種別見極め方

各事業所によって求められるセンサ種類は異なります。どのような物を検知したいのか、周辺状況がどのようになっているのかによって用いるセンサは種類が変わってくるものです。

「何か」を検知して、制御へ繋げていく。その一連の流れを当社ではご提案しています。

レーザーセンサ

レーザーを検出物に投射するセンサです。

レーザーが投射物に当たるとそのスポットが見えるため、光軸合わせや検出エリアの特定が容易です。

光電センサと異なり、距離が離れてもスポットが広がらないため小さい物やエリアの検出が可能です。

また検出物の有無だけでなく、検出物との距離を測定できるものもあります。

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光電センサ

主に赤色光線や赤外線を投射するセンサです。

検出方法により、光を遮断時に検出したり、光が検出物に反射してセンサに返ってくる光で検出が可能となります。

液体などの透明体を含む大半の物が検出できることが特徴。10m以上の長距離検出が可能なものもあります。

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ファイバセンサ

光電センサと同じように光を投射するセンサですが、光を光ファイバによって離れた場所での検出ができます。
その為、限られたスペースにも取付け可能です。

さらに光ファイバや投射部自体は電気的な装置ではないため、耐熱素材を使用することもでき高温場所(300℃前後)でも使用することができます。

超音波センサ

超音波を検出物に発信し、その反射を受信することでその有無や距離を検出するセンサです。

レーザーセンサと比較すると精度は高くありませんが長距離での測定が得意です。
検出対象物のサイズや変動幅が大きい物の検出や測定に用いられます。

また他のセンサでは不安定になりがちな液体などの透明体の検出にも強いという特徴があります。

近接センサ

センサが磁界を発生させ、近づいた金属(磁性体)を検出するセンサです。

金属のみを検出するという他センサにはない特徴を持ちます。
ただし、磁石にくっつかない非磁性体(アルミや銅)に対しては検出距離が短くなるので検出素材には注意が必要です。

磁界で検知する為、油やほこりが付着していても障害を起こさないという特徴もあります。

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製造現場のセンサ設置~制御変更についてはサイテックにご相談ください!

製造ラインの変更による制御方法や生産性向上の為の制御改造工事等、数多くの工事実績から貴社の状況に合わせた最適なご提案を致します。

「このような事をしてみたい」という、気軽なご相談からお声がけください。



お問い合わせはこちら

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操作ボックスへの転轍機切替ボタンの増設工事

鋳造工場にて、転轍機切替ボタンの増設工事を行いました。

既設の操作ボックスはありましたが、そことは離れた箇所でも転轍機の操作を行いたいとのご要望でした。

工場内の動線の都合上、既設の場所とは違う離れた場所でも設備の操作を行えれば楽なのに、、、というケースは良くあります。

私たちは電気制御工事会社として、工場の手間改善のための工事なども行っています。

工事前の様子

切替ボタン設置箇所

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既設の操作ボックスの北側のここでも操作を行いたいとのことでした。
操作盤内部

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既設の操作ボックスの工事前の様子です。
作業中の様子

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既設の操作ボックスへの繋ぎ込み作業の様子です。

当社の提案・施工内容

転轍機の切替ボタンのみ増設するという提案をしました。

既存の操作ボックスの北側に切替ボタンとボックスを設置し、西側にある既設の操作ボックスへの繋ぎ込み工事、配線工事も同時に行いました。

また、切替ボタンに、転轍機の向きがわかるシールが欲しいとのご要望があったので、一回り大きなボックスを用意し、転轍機の向きがわかるようシールを貼りました。

施工後の様子

切替ボタン設置

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切替ボタンが付いた操作ボックスをご要望の場所に増設しました。
新設操作ボックス内部

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新設した操作ボックス内部の様子です。
既設操作ボックス 繋ぎ込み完了

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切替スイッチを増設したのち、既設の操作ボックスへの繋ぎ込みを行いました。

当社スタッフより

社員7
工場での日々の作業の中で、「この移動無駄だな、、」であったり、「ここであの機器の操作ができれば楽なのに、、、」といったことを考えたことはないでしょうか?

私たちは、このような小さな手間改善についても、既存の設備を活かして最小限の工事で実現します。

操作ボックスや切替ボタンの設置、それに伴う配線配管工事、既設の制御盤への繋ぎ込み工事などを一貫して行います。

製造業の画像処理

AIの進化に伴い、画像処理の技術も近年大幅に進化してきました。
これまで生産ラインの中で人の目視検査により不良品などを判別していた作業を、機械によってより早く、より正確に行えるため、現在では様々な分野で活用されています。
特に製造業では人手不足や作業員の高齢化が進んでいるため、画像処理の活用は非常に重要です。

サイテックは、制御工事会社として、機器の選定から設置、制御盤への接続作業までを一貫して行います。


生産ライン上の課題

皆様の事業所では、以下のような課題を抱えていませんか?

□熟練工の高齢化

□人手不足

□検品の漏れによる不良品の流出

□既存のセンサ(光電センサなど)による検品の限界


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画像処理導入のメリット

画像処理を導入することで、以下のようなメリットがあります。

□省力化、省人化によりコストダウン

□24時間365日稼働

□作業員の体調や個人差などに左右されないため定量化、高品質化を実現

□作業員の視力低下などの健康問題解消

□高速化、高効率化

製品の品質を保つために検品は必須ですが、これまで人の目に頼ってきたのが現実です。
人手不足、高齢化が進む製造業において機械に検品を任せることは、品質の均一化だけでなく、検品に割いてきた人員を他の業務に充てることができるため、非常に効果的です。

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画像処理の流れ

画像処理は大きく分けて3つのフローに分かれます。

 1.撮像・転送

 2.処理

 3.出力


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1.撮像・転送

画像処理において最も重要なのが撮像です。CCDカメラによって対象物を撮影しますが、高精度の検査を実現するには以下の3つのポイントが重要です。

□対象物を大きく映す

□ピントの合った画像を映す

□明るくはっきりした画像を映す

これらを実現するために、適切なレンズと照明を選定しなければなりません。
対象物がぼやけていたり、照明の色や反射によってうまく映っていない場合は、正しく検査をすることができません。
カメラから得た画像データは、コントローラに転送されます。

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2.処理

撮影した画像を、ワークを判定しやすいように加工します。
画像に含まれているノイズをぼかして除去したり、特徴点をフィルタにかけることによって強調します。
これらの加工を前処理と言います。
前処理された画像をもとに、ワークに傷や汚れが無いかなどの判定を行います。

3.出力

判定結果を接続された制御機器(PLCなど)に信号として送ります。
各種ネットワークに接続することで、様々なデータを集約・管理できます。
PLCを介してパソコンでの操作指示や位置ずれの修正などを生産ラインに命令することができます。

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画像処理の用途

画像処理の用途は主に以下のものです。

□有無検査

□外観検査

□寸法検査

□位置決め

□読み取り検査

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有無検査

ワークの個数や、製品のラベルや添付物など有無を検出することができます。
数量や欠品の検出を目的としており、最も一般的に利用されているものといえます。

外観検査

ワークの表面にある傷や汚れの検査、欠陥・欠損を検出します。
カメラの画素数を上げることで、人の目では確認が難しい微小なものも傷として検出することができます。

寸法検査

エッジ検出によりワークの寸法を測定します。
ノギスなどと異なり、非接触による測定をインラインで行えるため、デリケートなワークもより正確に測定することができます。

位置決め

ワーク上のマークや特定のパターンを認識し、基準位置までの補正値をPLCなどに出力することで、それをもとにしたワークの位置決めを可能とします。
ワークと工作機械やテーブルの位置関係を瞬時に検出し、緻密な制御をすることで、生産工程の効率化につながります。

読み取り検査

製品管理で利用されるバーコードやQRコードなどの読み取りをすることができます。
コード以外にも、賞味期限や品番、型番といったようなワークの文字を識別する文字検査も可能です。


業種別活用方法

画像処理は様々な業界で活用されています。
実際にそれぞれの生産工程の中でどのように使用されているのかをご紹介します。

自動車業界

□ゴムブッシュ部品の異物混入検査

□磁気探傷検査

□ベアリングの外観検査

□熱処理後の焦げ検査

□エンジンバルブの外観検査

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食品・医薬品業界

□食品ラベルの有無・ずれ検査

□段ボール内のボトル本数カウント

□パッケージに付着した異物検査

□賞味期限の印字検査

□衣料品のバーコード検査

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電子デバイス業界

□プレート上の接着剤塗布検査

□LED欠陥検査

□基板上の文字認識

□ECUのシール材塗布検査

□端子の曲がり検査

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液晶・半導体業界

□表示デバイスの外観検査

□ICのリード端子の曲がり検査

□ハンドリング時のウエハ位置測定

□液晶貼り合わせ時の位置決め

□搬送アームの位置精度確認

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樹脂・容器業界

□ラベルの位置ずれ検出

□カップの変形検出

□汚れ、ごみ、ピンホール検出

□シート材の幅測定

□アルミ缶底の外観検査


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岡山県県南を中心に活動する電気制御会社

サイテックは、岡山県倉敷市を中心に、県南エリアで電気制御に関する工事を行っている会社です。
岡山県のお客様からこれまで数多くの工事のご依頼をいただき、画像処理に関する工事の実績も豊富にあります。
工場の省人化のため生産ラインに画像処理を検討している方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちらから

注湯時間監視装置の自動化工事

鋳造工場にて、注湯時間監視装置の自動化工事をしました。

これまで注湯時間の監視装置は、監視開始を手動で行っていたため、それを自動化するためのシーケンス改造を行いました。

工事前の様子

操作盤

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ボタンやセレクタスイッチを使って手動で監視開始を行っていました。

シーケンサ

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施工前のシーケンサの様子です。

配線工事

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電気炉から制御盤までの配線工事を行いました。

当社の提案・施工内容

電気炉の炉体を一度傾動させた後の着座を監視開始とし、注湯時間のカウントを開始させる仕様にしました。

電気炉の着座はリミットスイッチにより検出できるようにしましたが、着座中は常に着座検出信号が出ているため、自動監視用にパルス化しました。

また、監視装置と電気炉の電源系統が別であるため、着座状態でどちらかの電源が落ちている状態から両方電源がついている状態になった際に監視を開始しないよう、出湯用退座検知を必要条件に含めています。

施工の様子

施工後 操作盤

9-3編

監視開始の自動化のスイッチを設置しました。

施工後 シーケンサ

9-4編

リミットスイッチの設置などに伴い、シーケンサの改造を行いました。

施工後 ラダー図

9-5編

監視開始時間の調整など、ラダー改造を行いました。

当社スタッフより

まったく使用されていない設備であったため、監視開始のタイミングの誤差および誤動作は気にしないとのことで改造依頼されました。

近似値となる信号で監視を開始させ、注湯以外ではなるべく反応しないようラダーを設計しました。

また、生産スケジュールに依存する検知不能な項目(注湯場所指定、湯の成分)に関しては自動化できないことを了承して頂いています。