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カテゴリー別アーカイブ: 工場のIoT化提案の施工事例

連続ショットスイング異常サンプリングトレース調査

製造業のお客様にて、連続ショットブラストで頻発している異常の原因を調査してほしいとご要望がありました。

PLCのトラブルは日々発生してしまうものですが、その要因は電源や部品の問題からプログラムミスまで様々考えられ、原因の特定が困難なケースが非常に多いです。

今回の事例は、「サンプリングトレース」を用いて原因を特定し解決した事例です。

お客様の要望内容・依頼背景

ドラムスイング異常(西)が週1、2回のペースで発生しており、原因がわからないので調査してほしいとのことでした。

当社の提案・施工内容

いつ起こるかわからず、起こったタイミングで現場に赴いても原因がつかめなかったため、サンプリングトレースを導入して異常発生前後の状態を確認し原因究明することにいたしました。

サンプリングトレースとは、指定したデバイスが指定した動きをした際、その前後にPLC内でどのような処理が行われたかをグラフや表の形で記録できる機能で、あとからデバイスの動きを過去に遡ることでトラブルの原因特定につなげることができます。

サンプリングトレースについて詳しく知りたい方はこちら

今回の事例では、サンプリングトレースを用いた調査の結果、投入される製品が少なくなってドラムスイングが一時停止した後、1分以内に復帰した際にドラムスイングが正常な位置に戻りきっていないことがあるとわかりました。

この調査結果を受けて、ドラムスイングを正常な位置に戻すための電磁弁をお客様の方で交換され、以降このトラブルは発生していないということです。

施工後①(プログラムの導入)

サンプリングトレースを開始させるためのプログラムです。PLCのソフトから直接開始させることも可能ですが、モニタリングができるようあえてプログラムを導入しています。(画像をクリックすると拡大できます)

ラダー図

9-1編

施工後②(記録の解析)

黄色いラインが異常発生のタイミングです。(画像をクリックすると拡大できます)

Y0AC(東側方向へスイングさせる信号)、X4C(西側のセンサーの一つ)がONになっているのにX4B(西側センサーのもう一つ)が0.1秒以内にONになっていないので異常発生となりました。

本来停止後はY0AE(端のセンサーが全て反応していない位置に戻す信号)により正常位置に戻るはずですがX4Cのセンサーは反応しっぱなしで正常な位置に戻り切れていませんでした。

西側センサー付近で停止し、1分以内に復帰した場合のみこのような現象が起こるようです。

記録されたグラフ

9-1編

当社スタッフより

ドラムスイングは停止すると自動で正常な位置に戻る機能があります。

異常発生後に再度停止して正常な位置に戻ってしまっていたためサンプリングトレースなしでは発見できませんでした。

PLCやTPの不具合にお困りの方は、ぜひ弊社にお任せください!

サンプリングトレースについてさらに詳しく知りたい方はこちら
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回転機予知保全センサーのデータ取得

ブレーカー部品製造工場にて、回転機予知保全センサーの取付と、データ取得を行いました。

他の社員には聞こえず、社長だけにモーターの異音が聞こえていたため、異常の有無をデータとして検出し、明確にさせてほしいとのご要望でした。

日々の点検は非常に重要ですが、人の五感で検知するのには限界があります。

モーターやポンプ、ファンなどの故障が許されない設備は、予知保全を行うことが非常に重要です。

工事前の様子

波形データ

9-1編

異音がないモーターの波形データです。

当社の提案・施工内容

回転機予知保全センサーを取り付け、データの取得を行いました。

工場内に同じモーターが複数あったので、条件を同じにして他のモーターにもセンサーを取り付けました。

そしてモーターごとに波形を比較して見てみると、異音が発生するモーターのみ波形に違いがみられました。

施工の様子

波形データ比較

9-3編

異音が発生しているモーターとそうでないモーターで、波形に違いが現れました。

回転機予知センサー

9-2編

モーターの外部に予知センサーを取り付けました。

当社スタッフより

回転機などの設備は急に停止してしまうと、生産計画の立て直し、補修業者の手配、管理コストの増大など、様々な悪影響を及ぼします。

監視や点検が困難な場所にあると、日々のメンテナンスを行うことができないため、故障の可能性が高まります。

AIセンサーなどで予知保全をすることが重要ですが、効果がわからないと導入しづらいものです。

私たちは、センサーを購入する前にデモ機で効果を確かめてもらうサービスも提供しています。

電気炉の自動余熱・焼結機能追加工事

鋳造工場にて、電気炉の余熱作業・冷却設備の自動化を行いました。

これまで、電気炉の余熱作業は週明け直前の夜間に、冷却設備の停止を週終わりの昼に手動で行っていました。

今回のご要望は、これらの作業を無人で行えるよう自動化をしてほしいとのことでした。

さらに、10時間ほどかかる焼結作業も自動化をしてほしいとのご要望を受けて、施工いたしました。

工事前の様子

冷却設備の制御盤

9-1編

こちらの制御盤に照光スイッチを追加します。

施工前 シーケンサ

9-2編

シーケンサ改造を行い、冷却設備の自動停止・自動起動を実現します。

施工前 電気炉の制御盤

9-5編

こちらにタッチパネルを設置します。

当社の提案・施工内容

タッチパネルによる自動予熱・焼結の設定と予約、シーケンサ制御による冷却設備の自動停止と自動起動を提案
しました。

また、冷却設備の運転状況が制御盤でわかるようにし、現地でブレーカーにて運転停止させていたものを制御盤の照光スイッチにて制御できるようにしました。

施工の様子

冷却設備の制御盤

9-3編

照光スイッチを設置し、こちらで冷却設備の運転停止などの操作を行えるようにしました。

施工後 シーケンサ

9-4編

シーケンサを新しいものへと変更しました。

施工後 電気炉の制御盤

9-5編

タッチパネルを設置し、余熱の時間設定などもこちらで行えるようにしました。

当社スタッフより

工数が多く工事日数も限られていたため、冷却設備の制御盤制御と各自動起動機能追加とを2回に分けて工事しました。

自動予熱・焼結の予約は1週間以内で曜日指定、時指定、分指定ができ、予熱の時間設定などもタッチパネルで設定できるようにしています。

また、無人で行われる工程のため安全面に特化した設計を心がけました。